デザイン事務所はしびとのロゴ作成について書いていこうと思います。

当店のロゴですが、虎の上に羊が乗っているという変わった組み合わせですよね?
理由はとても単純で私が寅年で妻が未年なので、私の背中に妻を載せて人生という旅を共にしているという意味合いがあります。
夫婦が調和し協力し合って発展繁栄を目指すことを理想としてこのロゴデザインにしました。
虎と羊という異質な組み合わせはイノベーションする組織になることを意味しています。
何か新しいものを生み出すためには二通りのイノベーションが必要だと言われています。
一つはシステム的廃棄によって新しいのもを生み出す方法。
もう一つが異質なものを組み合わせて新しいものを生み出していく方法です。
またこういう具体的な形のロゴデザインはピクチャーロゴと言われています。
有名どころではプーマやアップルは具体的なシルエットでシンボルマークを作っているのでピクチャーロゴに分類されるのでは無いかと思います。

上図はプーマの公式オンラインサイトを画面キャプチャしたものです。
赤枠の部分がプーマのロゴです。

もう皆さんご存知のアップルコンピューターの登録商標であるリンゴのマークです。
ピクチャーロゴはこのようにかなり具体化されたシンボルであるので、その意味はわからなくても、それがピューマであるとか、リンゴであるとかは認識できるタイプのロゴです。
他にも様々な種類のロゴデザインがあります。
以下の画像はランサーズのクライアントがロゴ制作依頼をする際に選ぶロゴの種類です。

ということで、当美容室のロゴは下記のように写真からシルエットをイラストレーターのパスでトレースして2つの動物を組み合わせて作られました。


写真には撮影した人や会社に著作権がある場合もありますし、被写体である本人などに肖像権やプライバシーの権利がある場合などありますので、ググって拾って来た写真をそのまま使うわけには行きません。
だからと言って、動物園で虎や羊の写真を撮影してくるのも手間がかかります。
そこでイラストレーターを使ったトレース作業が効率的です。
動物園に行かなくてもググった画像の中からイメージに合う画像をモチーフにしてペンツールでパスとしてトレースすることで、簡単にシルエットが切り抜けます。
以下の画像は上図の写真からペンツールを使用してシルエットを切り抜いたものです。


羊は虎と方向を合わせるためにトレース後に左右を反転して組み合わせました。
羊の足元が草で隠れていたので、虎の背中に羊の足元を重ねることでトレースできなかった羊の足先のディテールをカバーしました。

後はワードロゴを作れば完成です。
シンボルマークはこのままのマークにワードを組み合わせても良いのですが、アイコンやファビコンにした時に、シンボルとワードを一体化させておく事で、シンボルだけでも視認性が高くなるように制作しています。

このように、円形のワードでフレームをつける事で、シンボルマークだけでも洗練されたロゴっぽい雰囲気になって来ます。
特にピクチャーロゴは具象的な形であるので、それだけだとロゴという感じはしません。
ただの動物のシルエットになりがちです。
そこでエンブレム風のフレームをつける事でロゴとしての視認性を高めます。
シンボルマークが完成したらワードを入れてどういう業種のロゴマークであるのかをPRします。
ここでもフレームありとなしを比較してみましょう。

上図はシンボルマークにはフレームもなく、白黒のモノトーンのロゴです。
なんだか少し寂しいですよね?
もちろん好みや主観的な問題なので、シンプルでこちらの方が良い方もいるかとは思います。

こちらはシンボルマークにフレームを付けて、英語で名前とサイトURLをわざと大文字で入れています。
フレームの円形の英字から虎の足が出ていこうとしているように見せているのは、常識に囚われずに自由な発想で新しいものを生み出そうというコンセプトを表現しています。
また社名だけを赤にして、アクセントを付けてみました。
こうする事でシンボルマークだけでもロゴデザインであることがわかりますし、店名と合わせることで、どういった内容の業種であるのかがわかります。
そしてロゴデザインは必ずベクターで作ることで、大きな看板などに拡大した時にアウトラインのクオリティが全く損なわれません。
IllustratorとPhotoshopについての過去記事を読む方はここをクリック
イラストレーターでのアウトラインで作成することでそれが可能となりますが、フォトショップなどでロゴを作ってしまうと、お店の看板など大きく拡大した時に、アウトラインがギザギザになり、滑らかな直線や曲線が描けなくなります。
ベクターで作るとアウトラインも綺麗ですが、モックアップなどを作って実際に看板や名刺などに採用した場合、どういうイメージになるのかも想定しやすい素材となります。





これらは全てモックアップですが、ベクターで制作してからPNGで書き出して、実用化へ向けた想定画像としてモックアップで合成してみると、現実に切り文字看板などを作らなくても、作ったロゴのクオリティを予め確認することができます。
私の経験上、モックアップにした時におかしな感じがするロゴは駄作なのでクライアントに評価されないことが多くありました。
逆にベクターからPNGに変換してモックアップにして見て、良い感じのロゴはクライアントも気に入ることが多々ありました。
それでは今日はこの辺りで終わります。
最後まで読んでいただき有り難うございます。